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【ネタバレあり】アニメ「サイコパス」は現代社会への警鐘をかき鳴らす

こんにちは、えびまよシャンプーです。アニメ「サイコパス」は、ブラックかつ心をえぐる攻めのアニメ。今年、新しい劇場版も公開されます。

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©SHUEISHA inc.

※画像は漫画のものです。

今回は、1期の内容について、だいぶ端折りつつ、ネタバレ有りで解説します。

 

ストーリー

舞台は今から約100年後の日本。犯罪を未然に防ぐためのシステム(シビュラシステム)が構築され、人々はその監視下に置かれています。公安局(今でいうところの警察?)はドミネーターというシビュラシステムと連動した銃を保持しており、シビュラシステムが計測する「犯罪係数」という指標をもとに、犯罪を裁くか否かを判定します。

 

 

そのため、裁判等で犯罪を裁くようなことはありません。絶対的な善悪の基準であるシビュラシステムをもとに一見非常にはっきりした社会が描かれています。


シビュラシステムによる社会の管理は犯罪のみならず、人々の人生を形作ることにも使われています。その人の適性をもとに就職先までも決めてしまうのです。


人権や自主制も奪われてしまっている危険な状況。しかし、作中では最初の方はまるで平和な世界が達成されたかのように描かれています。

 

近未来的な描写も随所に盛り込まれており、車の自動運転やAIによる便利な日常生活。そうした未来的なセンスやデザインもアニメを観る上でのちょっとした楽しみです。

 

主人公は常守朱。超エリートで真面目で正義感の強いタイプの人間。大学卒業後、公安局に就職。シビュラシステムを実際に運用する立場になります。

 

公安局では実際に現場で犯罪者を追い、ドミネーターで裁きます。また、刑事課では係単位で現場に向かい、チームで戦うのですが、チームには常守のように監視官として働く人間以外にも、執行官という立場の人々も含まれています。

 

執行官というのはいわば犯罪者予備軍。シビュラシステムによって判定される犯罪係数が高く、社会から隔離される対象なのですが、その能力を買われ、監視官のもとでは外部での捜査に加わることが出来るのです。しかし、執行官は監視官によってその行動を大きく制限されており、割と粗雑に扱われる傾向にあります。しかし、そんな状況の中でも常守は彼ら(特に捜査において勘の鋭さを発揮する咬噛)に興味を持ち、彼らの声に耳を傾けます。常守の最初の印象は根っからの良い人という感じ。

 

監視官についても、その行動は禾生局長の指示に支配されています。常守は任務をこなしていく中で、執行官の扱われ方やシビュラシステムというものに対して徐々に疑念を抱いていくのです。

 

絶対的な基準として、見た目としてはバランスのとれた社会を実現するはずのシビュラシステムでしたが、システムにはイレギュラーというのが付き物。

 

凶悪な犯罪を犯しながらも犯罪係数が低く保たれた状態の人間が出現します。名は槙島です。作中では彼らのような状態を免罪体質と呼んでいます。


彼は人を殺しても色相がクリアに保たれているのです。(作中では、犯罪係数が高い人に対しては色相が濁っている。逆に低い人に対しては透き通っているというような表現を使います。)


色相は強いストレスを受けた人の場合には濁り、犯罪を犯すに至った場合は間違いなく濁っているはず。という傾向があります。
しかし、槙島は犯罪係数が0で、裁くにも裁けない対象。罪悪感無く人を殺してしまうタイプの人間です。

 

そんな敵に対して常守たちは立ち向かいます。特に執行官の狡噛は、かつて相棒を槙島たちが起こした事件により殺されたという過去を持つため、力が入ります。

 

しかし、犯罪自体がシビュラシステムによって判断される時代。イレギュラーに対する対応の脆弱性が露呈されます。

 

公安局は手を尽くして何とか槙島をとらえようとし、シビュラの脆弱性を隠匿するためか、禾生局長は槙島の存在を隠すように動きます。

 

槙島との戦いにおいてはドミネーターが機能しないため、刑事課は慣れていない戦い方をするしかありません。しかし、最終的に常守や狡噛の体を張った追跡により、一係は槙島を捉えることに成功します。

 

その後、禾生局長は槙島を裁くことなく、身柄の管理を一係から別の組織に移します。そしてあろうことか、槙島は輸送中の飛行機から脱出し、逃亡してしまうのです。

 

その後、常守は禾生局長により、シビュラの真実を知らされます。シビュラシステムは免罪体質者(凶悪犯を含む)の脳をつなぎ合わせて作られたシステムだったのです。そして禾生局長はシビュラが共用する体だったのです。常守はその事実に嗚咽を感じながらも、何とか堪えて自分自身の正義を追い求め続けます。

 

ちなみに狡噛は、槙島の確保には否定的(裁くべき)と考えており、槙島の逃亡後に公安局から姿を既に消しています。

 

槙島は最終的には食料の供給源(ハイパーオーツ)の破壊を試みますが、常守らや、独自に槙島を追っていた狡噛に追い詰められ、狡噛により槙島は射殺。一連の事件は集結します。色相が大きく濁ったであろう狡噛は事件が終わった後、姿をくらませます。

 

考察

AIによる技術革新、医療、エネルギーの発展が目覚ましいのは悪いことではないですが、高度な技術になればなるほど、人間が高いレベルで管理していかなければなりません。

 

「AIが全部やってくれるから、頑張らなくていい便利な時代がやがてやって来る」というような話をたまに聞きますが、個人的には、これは圧倒的に間違っていると感じざるを得ません。

 

高度なものになればなるほど、根本の設計を間違えてしまえば甚大なエラーを発生させることになりますし、例え正しく作られたものでも悪質な運用をされればそれもまた脅威です。

 

結局のところ、いくら便利な時代が訪れたとしても、人間が常に手を加え、正しい形に保たなければならないという状況に変わりはありません。

 

有名な話で、「飛行機は何故空を飛べるのかは科学的には証明されていない」という事実があります。しかし、パイロットの高度な訓練や徹底した管理体制により日本で事故が起きる確率は極めて低い数値に保たれています。学校の授業で、「日本において、飛行機の事故で死亡する確率は、日常生活で隕石が自分に当たって死亡する確率より小さい」という話も聞いたことがあります。

 

事故が全く無いということではありませんが、高度な技術であることを認識し、徹底して不安要素を取り除こうとしている努力の結果なのだと感じます。

 

一方、シビュラシステムは脳をつなぎ合わせたシステムなので、AIや機械とは違うような気もしますが、1つの仕組みを絶対的なルールとして確立しているということが言えます。

 

そしてシビュラもやはり全自動では無く、公安局によって運用されている技術。さらに、やはりイレギュラーは発生しています。

 

イレギュラーには人間が対処せざるを得ません。シビュラ自身はシビュラの欠陥がバレないように、ことをおさめようとします。しかし、システムを守るために社会は混乱状態になり、本末転倒になってしまいそうになります。(常守たちが食い止めてはいますが…)

 

そもそも、このシステムの良し悪しについても作中では争点となっています。今の時代からすれば、完全にアウトというのは言うまでもありません。基本的人権が侵害されていますので…。

 

また、主人公の常守朱もやはりシビュラには否定的。根本的に違う仕組みを目指すべきだと主張します。

 

常守が目指す社会はきっと、面倒でも人間が客観的に欠陥を修正して、努力し続ける社会なのだと思います。

 

個人的な考察が満載でしたが、サイコパスはそれだけ色々と考えさせられる作品なのです。

本日は以上です。